コンピュータは、開発当初は非常に大がかりなものでしたから、個人が所有したり使用したりするのは、サイズ面でも価格面でもまずもって不可能な話でした。しかし、1970年代になると、ようやく個人でも購入できるほどの価格、一般家庭の室内にも置けるほどのサイズとなり、徐々に普及し始めました。当時の使い方としては、basic(ベーシック)と呼ばれるプログラミング言語を利用し、自分で任意のプログラムを作成することにより、何らかの単純計算の繰り返しを行わせたり、複雑な演算を瞬時に行わせたりするのに用いられました。また、プログラミングによって、画面上に何らかの図形を描くこともできました。

そして、作成したプログラムの保存にはカセットテープが用いられました。当時、カセットテープはすでに音楽用として広く普及していたことから、価格面やシステムの整備といった面では有利な記憶媒体でしたが、データの保存(セーブ)や読み込み(ロード)に時間がかかってしまうなどいくつかの欠点もありました。その後、1980年代になると、コンピュータ用の記憶媒体はカセットテープではなくフロッピーディスクになります。しかし、当初のフロッピーディスクのサイズは8インチであり、のちの5インチ、さらにのちの3.5インチと比較して、かなり大きいものでした。

そして、パソコンにはフロッピーディスクドライブが2つ用意され、AドライブにはOS(オペレーティングシステム)が記録された起動用ディスクを挿入して使用しました。また、作成したデータやファイルを保存するためのディスクがBドライブに挿入されました。パソコン本体にハードディスクが備わるようになるのはまだ先のことですが、現在のパソコンに内蔵されているハードディスクがCドライブから始まっているのは、前述のようなAドライブおよびBドライブに続くものがハードディスク内に用意されるようになったからです。

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